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2017年5月13日 (土)

<誕生 日本国憲法>展をみて

 なにか知りたいとき、事典や辞書を参考にするが調べたい項目がないこともあるが、その開いた頁で気付くことがある。*吉田東伍をとりあげ『大日本地名辞書』の項をみていたとき、同じ頁に大日本○○会社、○○史、○○会が並んでいた。他の辞書も同じく「大日本」が並んでいたので下記あげてみた。
    <読んで楽しめる地名辞書 *吉田東伍(新潟県)>
    http://keyakinokaze.cocolog-nifty.com/rekishibooks/2016/12/post-6c46.html

 ――― 大日本人造肥料会社・大日本水産会・大日本数学史・大日本精糖会社・大日本租税志・大日本体育協会・大日本農会・大日本言論報国会・大日本古文書・大日本産業報国会・大日本史料・大日本生産党・大日本婦人会・大日本武徳会・大日本連合青年団・大日本労働協会・大日本労働至誠会・大日本協会・大日本古記録・大日本国粋会・大日本国防婦人会・大日本政治会

 このように何かと「大日本」を冠した時代があったのだ。辞典により採りあげる「大日本」の事項は異なっているが、必ず載っているのが「大日本帝国憲法」。
 おりから5月3日は「日本国憲法」記念日。五月の連休は憲法に関する展覧会や講演会が催され、例年よりいっそう関心を集めたようだ。ただのおばさんでも、憲法の行方、運命が気になる時勢である。しかし正直なところ知識がなく辞書をひいてみた。

    大日本帝国憲法: 1889明治22年2月11日発布。ドイツの君主制憲法を範とし、伊藤博文が中心となり欽定憲法として起草、発布。広範な天皇大権を規定。1890明治23年11月29日に施行された日本初の近代的成文憲法。7章76条からなる「不磨の大典」(憲法発布勅語)とされた・・・・・・日本国憲法に対比させ、旧憲法、明治憲法という・・・・・・1947昭和22年日本国憲法の施行により廃止(『近現代史用語事典』 『明治時代史大辞典』)。

 今年、日本国憲法施行70周年を迎え、国立公文書館で<誕生 日本国憲法>展があったので見にいった。【憲法原本】展示コーナーはもちろん、どのケースも見学者が列をなしていた。公文書館は空いている時しか知らなかったので関心が高いのにびっくり。誰しも憲法を取り巻く状況が気にかかるのだ。次はパンフレットから
 ――― 憲法の産婆役として知られ、憲法担当の国務大臣として議会答弁にあたった金森徳治郎が果たした役割にも注目し、国内外の力関係が複雑に絡み合う中で生み出された新憲法誕生までの歩みをたどります。

 今から45年前の『世界大百科事典』の項目<憲法問題>の文末は次のようである。

 ――― 在来の護憲運動を否定する動きが生じてきたことは、注目に値しよう。しかし、全体としては、国民はなお憲法の現状に不満ではなく、近い将来に<改正>が断行される可能性はかなり少ないとみられる。いずれにしても、日本の憲法問題の帰趨(きすう)も、全国民の利害感や意思や判断力にかかっているべきであろう(1972昭和47年)。

 前記文章から45年、新憲法施行から70年たって「可能性はかなり少ないとは言えない」雰囲気。心配の種が芽生えているようで悩ましい。難しい事は分からないし言えないが、同世代に会うと「孫たちが戦争にいくような世の中が来ないように」という会話になる。そして「こんな心配をする世の中がくるなんて思わなかったね」と顔見合わせて、ため息。杞憂にすぎないことを願うばかり。

   日本国憲法: 1946昭和21年11月3日公布、翌22年5月3日施行。11章103条。天皇は象徴とされ国会が国権の最高機関となり、内閣も国会に対して責任を負うと規定された。また国民の基本的人権の保障は飛躍的に強化され、特に戦争放棄・戦力保持禁止を定めた第9条は、国際的にも注目を浴びた。しかし、1950昭和25年警察予備隊が設置されて以後、再軍備が進み、事実上の改憲が積み重ねられた(『近現代史用語事典』 『日本史辞典』)。

 国立公文書館<誕生 日本国憲法展>は終わってしまったが、衆議院憲政記念館の<日本国憲法施行70周年記念展示>は5月30日まで開催。
 「70周年記念展示」は案内によると、「帝国憲法改正案」(内閣総理大臣・吉田茂)と絵画「日本国憲法公布記念式典」など。
 
   参考: 『近現代史用語事典』安岡昭男1992新人物往来社 / 『日本史辞典』1981角川書店 / 『明治時代史大辞典』2012吉川弘文館 / 『世界大百科事典』1972平凡社

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