本ほんご本: 日本語でよめる世界の教科書
秋分の日、上野公園に行きました。奏楽堂バロック・シリーズ演奏会、アンコールは明治期の御雇外国人ドイツ教師の手になる曲が演奏されました。明治のはじめ様々な分野で御雇外国人を招いて西欧に追いつき追い越せとがんばり、今や日本は経済大国です。
2009年9月、チェンジした政権の鳩山首相がアメリカで外交デビューを果たし、国連での英語で演説するなど世界の国々と近いです。
ところで鎖国日本が開国するとたちまち西欧列強が押しよせ翻弄されるも、先人は密出国してでも分捕りされた清国の現状を見、日本が亡国とならないよう困難をのりこえました。
それからの日本はアジアの国々が手本としたいと思うほどに発展を遂げ今に至ります。しかし当時の日本は“脱亜入欧”アジアより西欧の仲間入りを望んだので、必ずしもお隣の国々との関係はよくはなかったです。
そして21世紀の日本はアジアの一員という意識を持つ人が多くなり、お互いの文化にも関心が強まっています。でも、ぎくしゃくする面があるのも否めない。それは何故か。
明治以降の歴史をふりかえると判ります。たとえば日清戦争を中国や韓国はどのように受け止めたのか、それぞれの教科書を読むと・・・落差に愕然とします。日本非難の激しい記述にページを伏せたくなることも。それでも..
韓国や中国の教科書を読んでみてはと勧めたいです。お近くの図書館でどうぞ。
拙著『明治の兄弟 柴太一郎、東海散士柴四朗、柴五郎』を書くにあたって、明治期のトピックを相手国の教科書を読んで理解できたことがあります。
日本の記述をとるか、相手国の記述をとるか。被害者、加害者の立場からみるか。いずれにしてもまず歴史認識の違いを知ったほうがいいかなと思います。
世界の教科書シリーズ
『わかりやすい中国の歴史』(中国小学校社会科教科書)明石書店・2000年
『入門 韓国の歴史』(国定韓国中学校国史教科書)明石書店2001年。
また同じ明石書店の高校生向け、世界の教科書シリーズ
『ドイツ・フランス(1945年以後のヨーロッパと世界)―――共通歴史教科書【現代史】』を見たときはすごい教科書だと感心しました。2008.12.15初版発行・第二次世界大戦を戦った国の“共通歴史教科書”、仕上げるまでの時間と苦労は並大抵ではなかったでしょう。
この教科書に携わった人々の熱意と平和への思いが伝わってきます。
ちなみにこの教科書には原子爆弾を受けた広島の惨状の写真も載っています。また共通の歴史教科書を作ろうという動きは日韓でもあると聞きます。
世界の教科書シリーズ中、興味のある国がありましたらその教科書読んでみてください。
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