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2009年12月17日 (木)

『アメリカにおける秋山真之』

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 先日、大型書店にいったら『坂の上の雲』関連本のコーナーが目についた。
 NHKで「坂の上の雲」の放映がはじまってだろうし、先の見えない今の世相に元気のある明治日本を振り返ってみようという人が多いのかも知れない。貧しいけれど希望にもえた若者たちが笑顔で走り回っているのをみると元気をもらえそうな気がする。
 特集コーナーには秋山真之に関した本はもちろん、あのバルチック艦隊をやぶった海戦の日露戦争のものなどいろいろ取りそろえてあった。

 そこになかったが『アメリカにおける秋山真之』(朝日新聞社)をおすすめしたい。
副題――明治期日本人の一肖像――著者は島田謹二で5年にわたり資料をあつめ研究した成果がつまっている。
 諜報報告や海軍軍艦表、また詳しい数字、戦術などでてきて、自分などには頭に入ってこない所もあるが文章がよく(見出しも文学的)、アメリカ留学の若き海軍士官の真之が目に浮かぶようだ。

 自分は会津人柴五郎東海散士(柴四朗)を調べるうちにこの本にいきあたった。米西戦争観戦武官として柴五郎(陸軍)に教わることがあった秋山真之(海軍)、その兄秋山好古(陸軍)と五郎は士官学校の同期であり仲も良かった。ほかにもアメリカ特命全権公使・星亨なども登場して興味は尽きない。内容豊富でうまく紹介できないので一部を抜粋しておく。
 続きをどうぞ

『アメリカにおける秋山真之』
 第4章 雷電はためくハバナの夜空
 第5章 マニラ湾熱風裡の砲声
 第10章 サンチャーゴ・デ・クーバの陥落
 第13章 小村寿太郎との対話
 第17章 アメリカ留学二年の成果

“秋山真之(教官)のこと”
 戦略、戦術、戦務を体系づけた、飛びつきたくなるように魅惑的で、筋が通って胸のすくような講義でありました――中略――連合艦隊解散の辞など、一遍でなぐり書きしたといわれますが、世界の名分ですな。普通の人ではありませんでした。のべつ頭が活動しているのですね。
       (海軍大将・山梨勝之進)

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