大関・把瑠都/バルチック艦隊
白鵬の優勝で大相撲が終わった。相撲は今の九重親方・千代富士が隠退してから見なくなったが、近ごろエストニア共和国出身の把瑠都が勝ち進みインタビューの受け答えを見て、にわかファンになった。
把瑠都という四股名(しこな)は母国エストニアが面するバルト海にちなんだものという。
申し訳ないが、エストニアが何処にあるのかさっぱりだった。そこで地図を広げたら、首都タリンはバルト海の奥、フィンランド湾をはさんでヘルシンキの向こう、ヨーロッパ北東部の国と知った。
バルト海の海岸線は複雑で、湾奥はボスニア湾とフィンランド湾に分かれている。
バルトBalticはバルチックとも。日露戦争中、日本海海戦で日本連合艦隊に敗れた旧ロシア艦隊はこのバルチック海からやって来たのだ。
その海戦の作戦参謀は『坂の上の雲』でおなじみ秋山真之、それから100年以上たってバルト海からカイド・ホーベルソン(把瑠都の本名)青年が日本にやってきた。
柔道が得意な青年はお相撲さんになりこの度大関に昇進した。なんのこともないが、真之と把瑠都が時を超えてバルトつながり……ちょっとおもしろい。
把瑠都は大器といわれ横綱も目指せそう。ロシア艦隊のように敗れることなく大関昇進の口上どおり
「けいこに精進」がんばって!
ちなみに、バルト/バルチックの三国、諸国は以下のよう。でも有為転変は世の習い、ヨーロッパ北方の大勢は現在も同じかな。
バルト三国:第1次世界大戦後のリトアニヤ・ラトヴィア・エストニアの三国。
バルト諸国:バルチック海岸に臨む国家。リトアニア・ラトヴィア・エストニア・フィンランドの称。
参考:『広辞苑』(岩波書店)、『外国地名辞典』(三省堂)。
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