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2011年11月27日 (日)

フランス革命と自由民権と東海散士と

 フランス革命についてにわか勉強していたら、明治の自由民権運動や秩父事件との係わりがでてきた。明治人が日本の運命と重ね合わせて世界の動きをみていたのは『明治の兄弟 柴太一郎、東海散士柴四朗、柴五郎』を書いているうちに知ったが、フランス革命までさかのぼるとは思わなかった。
 秩父事件について『ロベスピエールとフランス革命』著者、井上幸治『秩父事件』(中公新書)があるが筆者は未見。以下はにわか勉強のレポート一部分。

 河野健二『フランス革命とその思想』の<フランス革命と明治の革命>に興味をもった。中江兆民や自由民権運動を新たな方向から見ることを教えられた。

 民権思想家・中江兆民のフランス留学はよく知られるが、他にも欧米に留学した者はかなりいる。兆民の『三粋人経綸問答』の洋学紳士のモデルとして知られる馬場辰猪はロンドンに留学し帰国後自由党幹部として活躍するが、のち追われるようにアメリカに渡る。馬場はアメリカ滞在中、アメリカの新聞に激しい日本政府批判をたびたび投書、監視者は辰猪の記事を伊藤博文に送り報告していた。

 ほかにも政治家で明治のベストセラー作家・東海散士柴四朗会津若松市立会津図書館(福島県)に寄贈した洋書中に、ユゴー『九十三年』(NY 1874)、『ヴォルテール』(NY 1872)があるように、明治の知識人、自由民権家たちは直接間接の違いはあれ、翻訳でなく欧米の著述でフランス革命を理解したと思われる。

 開国日本に押し寄せる欧米列強を前にして、心ある日本人は「旧体制を打ち破ったフランス国民を認め、革命を評価し学んだ」。そして実践しようとした。しかし、
「明治の革命はフランスのような民主主義的な革命ではなかった(河野健二)」。

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