1192(いい国)作ろう鎌倉幕府、実は1185(いい箱)?
中学1年の孫の授業参観にいった。何十年ぶりに見た中学社会の教科書はA4サイズ、カラフル、大型で年表・地図は元より肖像画も見やすそう。副読本なのか厚手の史料集もある。
黒板を見ると線描の二人の武将らしき人物が二人。先生が「誰か分かる?」質問すると「頼朝」「義経」と答えが返ってきた。先生、「解ってもらえてよかった」。
こうして鎌倉幕府について授業が始まったが、教科書にある肖像をわざわざ手描きするのは生徒に集中してもらう工夫なんだなと思った。
鎌倉幕府と言えば、まず「1192作ろう鎌倉幕府 」。この日も私ばかりでなく参観の親たちにも懐かしいフレーズだろう。感慨にふけりそうになった所で先生が「1185とする説もある」と付け加えられた。説明を聞いてなるほど。
1192(建久3)年、源頼朝、征夷大将軍となる。
1185(文治1)年、頼朝の奏請により、諸国に国地頭を置き、兵糧米の徴収を許す(『新版 日本史年表』)
頼朝は邪魔になった義経の捜索逮捕を名目として勅許を得、守護、地頭を設置し有力御家人を任命。という訳で1185年こそ鎌倉幕府のはじまりといえそう。
ちなみに1185年は文治1年で、*寿永3年でもある。この年は7月京都大地震、8月東大寺大仏開眼供養などもあり、歴史にのこる事件事柄がおきている。
*寿永は安徳・後鳥羽天皇時代(1182~1185)の年号。
参観を終えて、近現代ばかりに目が向いているせいか歴史の大きな流れを忘れている自分に気づかされた。先日、「日本の近代を19世紀として括る」という大学の先生に「大まか過ぎるのでは」と感じたが、そうでもないかも知れない。歴史を見る目はいろいろあった方がいい。それにしても歴史好きの中学生、どのくらいいるんだろう。
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