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2011年12月10日 (土)

ユーゴー『九十三年』/フランス革命修羅の衝

Photo_2    <フランス革命と自由民権と東海散士と>を書いた後、たまたま『近代日本総合年表』(岩波書店)の1884明治17年を見ていたら、下記の記事が目に入った。

7.25 ユーゴー作・坂崎紫灡 訳<仏国革命修羅の*衝>(《自由新聞》~12.12中絶)、『九十三年』の部分訳)。 
 *衝:かなめ・つきやぶる・うごかす

 坂崎紫灡1855~1914(安政2~大正3)、名は斌(びん)、旧土佐藩士、明治時代のジャーナリスト。
 坂谷朗廬(ろうろ)の門下に入り塾長となる。のち松本裁判所判事になったが征韓論を唱えて官を辞し帰郷した。
 また、板垣退助に従い、愛国公党の結成に尽力、自由党系の新聞「自由の燈」の主筆として活躍した。
 坂崎が<フランス革命修羅の衝>を連載していた半年を年表でみれば、清仏戦争(ベトナムで清国とフランスの戦い)・エジプト問題にロンドンで列国会議・カメルーン、ドイツの保護領となるetc

 坂崎がフランス語原本からまたは、散士蔵書のような英語版から訳したのか解らないが、自由民権家がフランス革命を知っていた。そして海外の情報からも明治人が、日本の運命を本気で心配していたのは察せられる。
 写真:坂崎著『陸奥宗光』 国会図書館近代デジタルライブラリー蔵

 坂崎が師事した坂谷朗廬1822~81(文政5~明治14) 備中、岡山県出身の漢学者で、 大阪に出て大塩平八郎に師事した。維新後、陸軍・文部・司法の各省に出仕したが、病により辞任。 
 フランス革命から興味のままに人物をひもといていたら、大塩平八郎がでてきた。
 ちなみに、大阪で近在農民らと決起し、船場の豪商を襲撃した大塩平八郎を描いた小説、森鴎外また真山青果(宮城県仙台)も大塩平八郎の苦悩を描き出している。
 その1837天保8年は飢饉、餓死者が多数出たたいへんな年であった。陸奥南部藩の農民一揆、新潟・石巻・大阪・兵庫などで打ち壊しと各地で騒動があった。歴史のつながりはどこまでも、キリがないからこの辺にしよう。

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