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2020年11月28日 (土)

『明治大正人物列伝66』

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   “けやきのブログⅡ” 始まりは今から11年前、第1回は2009.7.1“本・ほん・ご本「明治の兄弟」ってどんな本?”でした。
 『明治の兄弟 柴太一郎、東海散士柴四朗、柴五郎』を書くきっかけは、卒論の主人公、柴五郎です。
 会津人柴五郎を知るにつれ五郎の兄弟、五郎を取り巻く人々の生き様にも興味が広がりました。
 そして、会津をはじめ北海道から九州まで諸処ほうぼうを訪れ、また行く先々の資料館、図書館で史資料を探しました。
 あるときは軍人・柴五郎を知りたく、防衛研究戦史図書館、また五郎の兄で国会議員・柴四朗については憲政史料館・国立公文書館に行きました。そこでは、ナマの史料の魅力を味わえました。
 しかし、漢文・英文が読めなくて活用を諦めたりことがありました。でも、筆跡が見られていいです。
 たとえば、柴五郎の直筆の手紙。
 和文は正直なところ達筆とは言い難く、戊辰戦争で学問どころではなかった幼年期の困難が忍ばれます。ところが欧文は美しく見事な筆記体です。陸軍幼年学校でフランス人教師から誉められたエピソードが納得です。
 五郎はフランス語・英語・中国語も堪能で、映画化(「北京の55日」)もされた義和団事変の際は、北京在留の八ヶ国の人々に頼りにされ、危機を救った大活躍も頷けます。

 このような、はじめは柴五郎の話からブログを始めてみたら、世の中広いです。
 アクセス、時にはコメントもあって書くのが愉しくなりました。最初は気の向くまま更新していましたが、アクセスに励まされ今は毎週更新、きつい時があっても休まず続けられます。
 今、コロナ禍でステイホーム中、人と会えず、オープンカレッジその他講座も休講、淋しい日々です。でも、皆さまのアクセスのお陰で鬱にならずにいます。

 さて、“けやきのブログⅡ”もついに記事数600余、その十分の一を冊子にしました。
明治大正人列伝66』の66は、2013.8.31~2014.12.27間の記事数です。
 登場人物は、教科書に載るような有名人はあまり登場せず、地味です。ただ、逆境を乗り越えた人、目立たない所で世のため人の為になった人、また男性優位で女子が表舞台に出にくい時代にあっても思うところを為し遂げた女性も登場します。
 ちなみに、記事が福島・宮城・岩手3県の人物が多いのは、東日本大震災・原発事故から被災地応援の気持ちからです。今も応援の気持ちは変わりませんが、ありがたいことにアクセスが全国からなので、行ったことがない地方への興味もあり地域を気にせず書いています。
 目次をあげておきます。興味のある記事がありましたら、右列バックナンバーをクリックすると読めます。

     目 次
2013.08.31  グーテンベルグの活版印刷
2013.09.07  天田愚庵と清水次郎長と山岡鉄舟
2013.09.14  十五夜それとも十三夜
2013.09.21  明治・大正期の洋画家、萬鉄五郎
2013.09.28  元気と知恵で渦中にのりこむ、清水卯三郎(瑞穂屋)

  2013.10.05  童謡・唱歌・わらべうた、軍歌
  2013.10.12  科学・数学女子&女性初の帝大生・黒田チカ
  2013.10.19  【福島縣成行家番附】前頭・服部宇之吉
  2013.10.26  〔鮭〕〔三島通庸三県道路改修抄図〕の洋画家、高橋由一

2013.11.02  早ソバ・ジャガイモ栽培、髙野長英(岩手県)
2013.11.09  『お国自慢:英傑名家の出祥地』岩代国(福島県)
2013.11.16  山本覚馬、野澤雞一(福島県)、殊勝な強盗犯
2013.11.23  寒風沢島の洋式軍艦・開成丸、三浦乾也(江戸)・小野寺鳳谷(宮城県)
2013.11.30  台湾高等法院長 髙野孟矩(福島県新地町)

  2013.12.07  1928ワールドシリーズ、ベーブ・ルースと会った河野安通志
  2013.12.14  教育に力を注ぐ小学校教師、花巻の歌人西塔幸子(岩手県)
  2013.12.21  中国「演義小説」の英雄、誰が好い?
  2013.12.28  新井奥邃(おうすい)と田中正造(宮城県・栃木県)

2014.01.11  詩は臥城、人物評論は鉄拳禅 (宮城県)
2014.01.18  余市りんごと会津人の困難(北海道・青森・福島)
2014.01.25  新潮社創立・佐藤義亮(秋田県)

  2014.02.01  戊辰戦争・米国留学・東大総長・山川健次郎(福島・青森県)
  2014.02.08  生くべくんば民衆と共に、布施辰治(宮城県)
  2014.02.15  東洋史学者・那珂通世と分数計算器(岩手県)
  2014.02.22  明治、東北の実業人と台湾(荒井泰治・藤崎三郎助・槙哲)

2014.03.01  富津岬の幕末明治、会津陣屋と海堡(千葉県)
2014.03.08  日本種痘はじめ、お芋の松斎先生(秋田・江戸浅草)
2014.03.15  福澤諭吉の友人、やんちゃな蘭方医・高橋順益(京都府)
2014.03.22  明治期の法律学者、菊池武夫(岩手県)
2014.03.29  袴の代名詞・仙台平、小松彌右衛門(宮城県)

  2014.04.05  観古会・竜池会・東京美術学校、高村光雲(江戸下谷)
  2014.04.12  大熊町立図書館、その他、国会図書館デジタルコレクション
  2014.04.19  宮沢賢治と妹トシ (岩手県)
  2014.04.26  時計商・松浦玉圃は美術工芸も秀逸 (宮城県仙台)

2014.05.03  武侠社、押川春浪(愛媛県)・柳沼澤介(福島県)
2014.05.03  続・日本種痘はじめ大野松斎 & 桑田立斎
2014.05.17  小説家・翻訳家、壮志忘れず、二葉亭四迷(江戸)
2014.05.24  ペリー&プチャーチン応接係・維新後は神道、平山省斎(福島県)
2014.05.31  外来の体操とスポーツ・卓球を日本に、坪井玄道(千葉県)

  2014.06.07  明治の小説家・翻訳家、若松賤子(福島県)
  2014.06.14  明治・大正、屈指の地方紙「河北新報」を築き上げた一力健治郞(宮城県)
  2014.06.21  時は回る(西南戦争・自由党・立憲政友会)、鵜飼節郎(岩手県)
  2014.06.28  二本松製糸場・金山(佐野)製糸場、佐野理八(福島県・宮城県)

2014.07.05  硬骨朴直の代議士、安部井磐根の半生(福島県)
2014.07.14  明治最初の女流作家、三宅花圃(田辺竜子)
2014.07.19  五稜郭で戦う赤衣の額兵隊隊長、星恂太郎(宮城県)
2014.07.26  愛の林檎・蕃茄(あかなす・トマト)

  2014.08.02  チョウノスケソウ、幕末の植物採集・須川長之助(岩手県)
  2014.08.09  障害者スポーツ&金メダリスト成田真由美(神奈川県)
  2014.08.16  明治期、ホノルルの名物男・勝沼富造(福島県三春)
  2014.08.24  藤山家の門、藤山雷太・尾佐竹猛(佐賀・金沢)
  2014.08.30  関東大震災: 蠹魚(しみ・紙魚)の自叙伝・内田魯庵(東京)

2014.09.06  130年前の漁業者表彰(牡鹿郡・気仙郡)
2014.09.13  ミシンと明治・大正・昭和
2014.09.20  国語辞典の基礎をつくった『言海』大槻文彦
2014.09.27  生活綴り方、村山俊太郎 (福島県/山形県)

  2014.10.04  会津富士、磐梯山の大噴火(福島県)
  2014.10.11  星松三郎とその夫人(宮城・高知)
  2014.10.18  北海道大学育ての親、佐藤昌介とその父、佐藤昌蔵(岩手県)
  2014.10.25  ああ小野訓導、小野さつき(宮城県)

2014.11.01  柔術から柔道へ、講道館四天王
2014.11.08  忘れられた図書館人、青柳文蔵 (岩手県/宮城県)
2014.11.15  明治の大金持ち、斎藤善右衛門 (宮城県)
2014.11.22  桜井女学校を創立した桜井ちか (東京)
2014.11.22  『日本画 名作から読み解く技法の謎』

  2014.12.06  星の村天文台とあぶくま洞、滝根町の明治(福島県)
  2014.12.13  日露戦争時のアメリカ公使、高平小五郎(岩手県)
  2014.12.20  民の本は農工商の隆盛にあり、十文字信介(宮城県)
  2014.12.27  狂歌百人一首、大田南畝(蜀山人)

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