竹あれこれ、竹林・竹やぶ・筍・竹笛・パンダ
1939(昭和14)年9月、第二次世界大戦。ドイツのポーランド進撃に対する英仏の対独宣戦に始まる。1941(昭和16)年6月、独ソ開戦。同12月、日米開戦。1943年9月イタリア降伏、1945(昭和20)年5月ドイツ降伏、同8月日本降伏で終結。6年ものあいだ戦争があった。
そして今、ロシア=ウクライナ戦争が勃発し丸3年が過ぎようとしている。第二次世界大戦のように戦争が拡大することはないのだろうか。
戦中生まれはただ不安を募らせるばかりだが、「人のため地域のため活躍する高校生」を応援しつつ自分なりにやっていこう。
「全国高校生農業アクション大賞」(毎日新聞社、JA全中主催)
“未来へ導く若き感性―――支援15組決定”(毎日新聞2024.10.25)
園芸分会「北海道版リジェネラティブ農業実証試験~マメ科緑肥作物を用いた不耕起栽培~」(北海道・真狩高校) / サツマイモ無病苗チーム「江戸時代のサツマイモを現代に」(島根・松江農林高校) / くまもるず「天空の郷に伝わる地大豆・地雑穀の継承と普及~甦(よみがえ)れ!地域資源復活プロジェクト~」(愛媛・上浮穴高校)・・・・・・・・・・。
「放置竹林の夢~無価値からの挑戦~」(利根実業高校の森林科学部)
―――勢力を拡大している放置竹林は、私たちが生活する群馬県利根沼田地域でも問題になっています。昨年までは竹林整備活動を中心に地域の方々と老齢竹や折損竹の伐採、小学生と幼竹の収穫体験を実施してきました。最終的には、無価値の竹林を価値あるものに変えることが目標です。・・・・・(後略)
観光地の竹林は美しいが、近くの竹やぶは物寂しい。プラスチック製品が普及し竹林は放っておかれ、竹は本来の野生をとりもどしたよう。地下茎が周辺に広がり、ほかの木を押しのけ、どんどん広がってしまっている。
そこで、身近なのによく知らない竹のいろいろを見てみた。
―――竹は、南極とヨーロッパを除く全大陸に自生・・・・・竹林の面積は世界全体で3900万ヘクタール以上におよび、国によっては全森林面積の4~10%を占めるとの推計もある・・・・・(中略)・・・・・ 竹はさまざまな象徴として民話や文学に登場する。中国や日本では、竹はいくつもの象徴的意味を備えており、豊かな生活、艱難辛苦の克服、几帳面、忠実、優しさ、優雅、長寿、謙虚、寛容、平穏、上品、率直、静謐(せいひつ)、公正、冬、しなやかに堪え忍ぶ力、汚れからの保護を暗示する。・・・・・ 竹は松や梅とともに「歳寒三友」(さいかんさんゆう)・・・・・日本ではそのまま「松竹梅」とよばれ吉祥のシンボルに・・・・・緑の竹には清浄の意味もある。・・・・・(『竹の文化誌』)。
☆ 筍
野菜に旬がなくなりつつあるが、筍は季節を感じさせる貴重なものといえよう。食用にされるのは、モウソウチク・マダケ・ハチクなど。
☆ 竹やぶ減らしにメンマが熱い!(『農家が教える 竹やぶ減らし』)
―――メンマは、タケノコとしてはとり損ないの、1.5~2mも伸びてしまった「幼竹」を遣います。・・・・・真竹やハチクは、地上40cmくらいに伸びたものが食され・・・・・孟宗竹も3~4mに伸びたものの先端40cmくらいは「穂先タケノコ」としておいしく・・・・・穂先以外だって・・・・・1.5~2mなら、加工や料理によってはおいしいはず。「幼竹」こそが竹林整備の鍵!・・・・・幼竹をおいしい「純国産メンマ」に・・・・・。
☆ 竹やぶを竹林に再生
竹炭・竹酢液の普及に取組む(竹炭・竹酢液普及会会長 奈良武則)
―――タケノコ用の竹は4年たったら切る。切った竹は昔は穴を掘って燃やしていたが、野焼きが禁止され焼くことができなくなった。・・・・・4千本の竹を竹炭に使うようになった。・・・・・竹は、水分に対して、自然の除湿・加湿・空気清浄の3つの役割を果たす。・・・・・金閣寺・銀閣寺でも竹炭が床下に敷いてあり、腐朽やシロアリ被害を防ぐのに効果・・・・・竹酢液の最近の用途としては、医療・介護分野が挙げられる。・・・・・(『竹』)。
☆ 竹林
―――竹を切り出すのは晩秋から初冬にかけて、その時期は栄養分が地下茎にいってしまい・・・・・虫食いの原因となる栄養分が少ない時期に切り出すのが一般的。・・・・・突然変異の変わった竹は茶道具の材料として珍重される。・・・・・・・・・・(『竹』)。
☆ 祭りの用具
―――竹の特製を生かした祭りの用具は数多くある。もともとこの行事は、七夕の竹に日頃の穢れを移して水に流してしまおうという意味と、盆の先祖迎えの高灯籠が合体したような行事で、青森のネブタと似た目的をもっている。・・・・・(『竹』)。
☆ 竹笛/篠笛
日本の管楽器の一種。長唄の囃子、歌舞伎の下座、郷土芸能の囃子などに用いられる。音色が柔らかく甘美なのが特徴。(『世界大百科事典』)。
竹の内部はもともと中空になっっているため、さまざまな楽器に使われた。中国の笛子(ディーズ)や簫(しょう)、日本の尺八、フィリッピンのパレンダなど・・・・・インドでは、笛は場所を問わず人気があり・・・・・また、ポリネシアの伝統的なフラダンスに使われる楽器のなかにも、竹製のものが4種類ある。・・・・・・(『竹の文化誌』)。
☆ エネルギー源
―――竹を炭火させれば、エネルギー源などさまざまな用途に使えるほか、その製造工程で生まれたごみを化石燃料の代用として使えば、工業用生産の費用を削減できるかもしれない。・・・・・ 竹の「ごみ」は代替燃料製品をつくる優れた原材料になる。竹から高品質の炭や活性炭がつくれるのである。・・・・・(中略)・・・・・炭を生産すると、酢という重要な副産物ができる。・・・・・(『竹の文化誌』)。
☆ ジャイアントパンダ
―――現在ジャイアントパンダが自然に生息しているのは、中国西部の山岳地域だけだ。・・・・・もはやわずか1000頭が生息しているに過ぎないという。かつては、東は上海や香港、西はミャンマー、北は北京近くに至るまで、260万平方キロ以上にわたる中国南東部の広大な地域を闊歩していた。・・・・・主に、竹の芽や稈(カン。茎・わら)、枝、葉を常食としている。成竹は繊維質で栄養価も少ないため、大量の竹を消費しなければならず、一日あたりの消費量が15kgに及ぶ場合も・・・・・1年を通じて毎日食べ、・・・・・300万年前のジャイアントパンダの歯の化石を見ても、現在のジャイアントパンダの歯とほとんど変わらない点から見て、パンダと竹との関係は昔から続いていたようだ。・・・・・(『竹の文化誌』)。
参考: 『農家が教える 竹やぶ減らし』2022農山漁村文化協会 / 日本の原典シリーズ『竹』2013新建新聞社 / 月刊たくさんのふしぎ『木?それとも草? 竹は竹』2010福音館書店 / 『竹の文化誌』スザンヌ・ルーカス著、山田美明訳2021原書房 / 『世界大百科事典』1972平凡社
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